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『クーデター』(原題:No Escape)を見たメモ.

タイ…じゃなかった,東南アジアの某国で外国人排斥運動を基にしたクーデターに巻き込まれたアメリカ人の男とその家族を描いた映画.

主人公は水道技師,一家で旅客機に乗っている.自分の会社を畳んで,国際展開している水道の大企業に転職,東南アジアの某国に家族を連れて赴任する途中.会社の失敗で自身を喪失しており,また妻と二人の娘をタイ…ではない東南アジアの某国に連れてきた事に後ろめたく感じている.

着くと,来ているはずの迎えは来てないし,電気は止まるし,言葉は通じないし,手に入る英語の新聞は3日前のものというタイ…のような東南アジアの某国に戸惑う一家.一方,ホテルの外では水利権をアメリカ企業に売ったとしてクーデターが勃発.外国人を殺せ,アメリカ人を殺せとホテルが襲撃される.特に主人公は水道会社の人間として名指しで狙われることになる.

外資本がインフラ開発,特に水に入り込んで~というのは最近やってる攻殻みたいだなと思いながらみた.


中盤は,夜を待って外に出て米大使館を目指す展開に.同時に死体から服を剥いで着替えて暴徒に偽装してるんだが,妻が白いシャツに着替えていて,これが怖かった.

逃げる場面が多いのでそれにあわせて背中側から撮るわけだ.すると妻の白い?シャツの左背中には銃の穴と前の持ち主の血痕がついている.その夜に映える白っぽいシャツの心臓側に血痕があるのがたびたび画面に映るんで,死の匂いの不安感というか不快感というかがいや増す感じだった.
最後では血痕が映らないように肩から上だけを映してたのでわざとだしょ.
もっと言うと,クーデターに巻き込まれる前の市場でやたらと肉や魚を捌くカットを入れてたのも不安煽りだろうが.

とまれ,愛し合う家族があればいいんだと病院のベッド上で一家団欒で〆.


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メイキングのカチンコをみると撮影中は "No Escape" じゃなくて "The Coup" というタイトルだったらしくて,せっかくタイトル変えたのに邦題は『クーデター』に戻してよかったのかな.

旅行中に遭遇したタイのクーデターに着想を得たこの映画は,タイの協力も得てタイで撮影された代わり舞台は東南アジアの某国になった.「現地語はタイ語ではなくラオ語などの混合」「黄色はタイ王の色なので映さない」「仏の前で悪行はできないので仏はなし」と面白いことが書いてある.
No Escape (2015 film) - Wikipedia, the free encyclopedia

実際タイ-ヴェトナム国境というのは存在しない.
この国はタイではない,東南アジアの某国だ.

だからタイの市民は暴徒化したとしても東南アジアの某国の市民のようには戦車やヘリを扱えないんじゃないかな.